この会は第1回(2019.3.9)より、年3回の予定で開催。残念ながら、第6回(2020.12.16予定)と第8回(2021.8.21予定)はコロナ感染症の蔓延により中止。今年度、初めての開催となったこの日(2021.12.15)、一般市民の方14名、医師が5名出席し、無事開催することができました。今回は、藤枝市立総合病院の研修医の先生も出席していただき、いつもとは違った目線からのご意見もいただきました。
今回は、介護老人保健施設ユニケア岡部施設長・杉浦正司先生から、「人生の最期は、医療の場ではなく、生活の中で迎えたい!~できるだけ平穏に~」と題して、在宅看取りについて現状などのお話を聞くことできました。参加者からは、「人生の終わり方に不安がいっぱいです。今日、参加させていただいて少し気持ちの持ちようがかわった気がします。」「医療側の事情が非常によくわかった。」「穏やかに死ぬことをサポートしてくれるシステムが、以前に比べ格段に良くなっているという安心感が生じた。」「『死』を考えるより、『そこに至るまでどうするか?』が大事ということが分かった。」などの感想をいただきました。
この会に初めて研修医の先生、小澤先生が参加してくださいました。地域で医療に携わる中、「こんなにご高齢の元気な方がいらっしゃるなんて思いませんでした!」「病院とは違った視点で患者さんとかかわることができました。」などの感想を述べてくださいました。
グループワークが始まったばかりのころは、静かだった会場が時間を追うごとに熱気を帯びてきて、終了時間が来た頃には司会の声も届かないほどの活発な意見が交わされていました。「人それぞれに死の形があると感じた」「『平穏な』というのも人の心によると思う」「これからも『死』を考えていきたい」「皆さんのいろいろな経験や考えを聞くことが出来て、考えるきっかけになりました」「いろいろな境遇の方がいて、それぞれにそれなりに考え、行動・生活をされており、刺激を受けた」など、医師や話したことのない皆さんとゆっくり話ができ、参加者には貴重な機会で、好評です。
最後に、三輪医院・三輪誠先生がまとめとして、「大事なのは、死ぬまで家にいることではなく、家にいたい人がぎりぎりまで自宅で過ごす。それをお手伝いするのがかかりつけ医の仕事。そして、よい終わり方に巡り合うためには、家庭の中の人間関係をもう一度見直してみることも必要ではないでしょうか。」と、会を締めくくられました。
今までも、そしてこれからも市民が「住み慣れた地域でよりよく生き、そして静か(平穏)に最期を迎える」ための取り組みを志太医師会は進めていきます。
次回日程は、令和4年2月26日(土)の開催を予定しています。(2022年1月掲載)