昨年度よりシズケアサポートセンターでは、在宅医療未経験または経験の浅い医師を対象として「在宅医療スタート研修(入門編)」を実施しております。今年度からは、入門編受講者・修了者へのフォローアップ、また、日頃より在宅医療を行う医師のスキルアップを目的として、「在宅医療スタート研修(実践編)」を12月14日に開催いたしました。

今回の研修では、昨年度の入門編受講者の関心が最も高かった「褥瘡・創傷処置」をテーマとして取り上げ、褥瘡管理に携わる専門医からの講義に加え、手技獲得のため豚皮モデルや褥瘡シミュレータを用いた実習を行うこととしました。

森田 勝 医師

講師に藤枝市立総合病院形成外科部長兼褥瘡管理室長の森田勝様をお招きし、そもそも褥瘡とは?という入口から、壊死組織の除去(以下、デブリードマン)とポケット切開、さらには局所陰圧閉鎖療法についてお話を伺いました。どんな創傷も正しい評価を行い、適切な処置を行う必要があることや、在宅医療で褥瘡を診る際の注意点として、感染を見逃さないことが大事であると、過去の経験も踏まえて分かりやすく解説していただきました。

 

 

その後、森田医師による手技のデモンストレーションが行われました。この実習支援においては、同院皮膚・排泄ケア特定認定看護師の森永美乃様にも多大なご協力をいただきました。県下全域から参加した医師たちは、熱心にその様子を観察し、自身の実習に臨みました。

 

 

 

 

 

参加した医師からは、「実践形式の講義で大変勉強になった。在宅医療の場では、他の医師から指導を受けたり手技を拝見することが難しいので、このような研修の機会を大切にして、患者さんへ還元していきたい。」との声が多数聞かれました。終了後アンケートでは、参加者全員が「満足」と評価し、充実した研修となったことが分かりました。

県下全域の主に在宅医療を担う診療所の医師を対象とした、講義と実技を体験できるこのような研修は、全国的にも数が少ない先駆的取り組みでもあります。シズケアサポートセンターでは、約1年間かけて準備を進めてきました。今回の企画が無事に成功することができたのも、多くの皆様のご協力のおかげです。

 

 

 

 

 

すべての医師が真剣そのもの。患者さんへの思いが伝わってきます。

 

本研修にかかる、全ての関係者の皆様に心より感謝いたします。

静岡県医師会は「住み慣れた地域で最期まで安心して暮らす」ための人材育成をすすめていきます。