「一般社団法人くすりmate」の創業時の決意の一つに、地域で活躍する訪問薬剤師を増やしたいという想いがあります。その中で、地域医療・介護・福祉の連携を深めるため、多施設・多職種が気軽に相談できる環境を整え、たとえ離れていても、たとえわずかな時間しかなくても、まるで学校のクラスメイトの様に、連携できる環境を創りたい。 それを「くすりmate」という名称に込め、創業することとしました。同じ事業所、同じ施設内であれば、知識の伝達や専門職の価値観を共有することができますが、地域単位では容易ではありません。“患者さんとご家族にとって安心な薬物治療”を多職種の繋がる力で地域のすみずみまで届けたいと強く願っております。
さまざまな「くすりmate」の取り組みの中で、今回は『くすりmate塾』についてご紹介します。
本塾では、月に1回”在宅症例多職種オンラインカンファレンス”を定期開催しています。
特徴は、訪問薬剤師が症例のプレゼンテーションを実施し、医師・看護師・栄養士・ケアマネジャー等の多職種からアドバイスを受けることです。訪問薬剤師の活動の知見・ノウハウを蓄積し、地域に広く発信することで、同じ様な症例で悩む薬剤師や多職種の活動に活かすことができます。
オンラインカンファレンスの様子です。
≪在宅症例多職種オンラインカンファレンスでの1症例≫
子宮頸がん末期により在宅医療が開始された症例。薬剤師は、TPN輸液のお届けにより在宅訪問が開始となり、その後痛み止めの医療用麻薬の貼付剤から持続皮下注射へ変更となりました。多職種でのコミュニケーションは、電話やFAXなどの個人対個人の方法のみでなく、多職種による新たなコミュニケーションツールの使用を実践することで、効果的な連携が生まれました。オンラインカンファレンス後の訪問薬剤師の気付きとして、残薬や痛みの状況をタイムリーに情報共有することが重要であることと、必要な時には自ら情報を取りに行き、付加価値を付けて医師に情報提供する姿勢が大切であることです。 (2022年8月掲載)
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