静岡県内の医療機関や介護施設・事業所など、地域包括ケアの仕事に携わる人が誰でも参加登録できる安心安全なシステム「シズケア*かけはし」をまずは知って使ってもらおうということで、静岡県作業療法士会主催で「シズケア*かけはし説明会」が、東部・中部・西部地区でそれぞれハイブリット形式で開催されました。

第1回説明会:2022年11月26日(土) 沼津プラサヴェルデ
第2回説明会:2022年12月4日(日) グランシップ
第3回説明会:2022年12月11日(日) アクトシティ浜松研修交流センター

<第1部>
①シズケア*かけはし 概要説明
②事例報告(3事例)
【事例1】入浴動作の自立に向けて、シズケア*かけはし にて動画・画像情報の共有を行ったケース
【事例2】病院退院後に、嚥下造影検査(VF検査)を訪問リハと共有し、自宅で食事が安全に食べられたケース
【事例3】セキュアメールを用いた情報交換でケアマネジャーのアセスメント、ケアプランのサポートがスムーズになったケース
③意見交換会
<第2部>
④シズケア*かけはし 操作体験(会場参加限定)

【事例1】
退院時、日常生活動作が不安定であったため、自宅での安全な入浴のためには環境等の調整が必要であった。自宅では、作業療法士、ヘルパー、ケアマネジャーが関わっているが、各職種の活動時間が異なり一堂に会した対応が難しかった。そのため、作業療法士がPSショット(※1)で動画を撮影し、「シズケア*かけはし」内で多職種と動画を共有した。それを見たヘルパーやケアマネジャーがそれぞれの立場から意見交換を行い、ステップ台をご家族が作成することに繋がった。そして、入浴動作が安全に行える環境を整えることができた。
【事例2】
咽頭残留が著明で誤嚥のリスクが高く、退院後は訪問リハビリ(言語聴覚士)が介入することとなった。その際、病院と訪問リハビリの言語聴覚士同士がPSショット(※1)で嚥下造影検査の動画を「シズケア*かけはし」内で共有した。書面での評価の伝達は不十分なこともあり、動画で共有することで咽頭残留著明の原因がはっきりとした。
そして、動画を利用者やご家族にも見ていただくことで、嚥下の状態を理解し、水分にトロミをつける等の食事指導もスムーズに行うことができた。
【事例3】
志太榛原地域では、介護予防・日常生活支援事業のサービスの中に、訪問リハビリがケアマネジャーに対して要支援者への支援内容についての相談やアセスメントのサポートをする取り組みが行われている。
今まで、依頼書や報告書のやりとりをする際、書類を市役所に提出する形で行っていたため、お互いに提出し取りに行くこととなり時間を要していた。そのため、ケアプランができた後に報告書が届くといったこともあった。
現在はセキュアメール(※2)で書類のやりとりをするため、タイムリーに対応ができ、ケアプランに反映することができるようになった。

【事例1】【事例2】では、PSショットを活用し、動画や写真で情報共有をしています。動画や写真を実際に見ることにより情報を正確に伝えられタイムリーな対応ができるということが分かりました。
【事例3】では、セキュアメールを活用し、依頼書や報告書といった個人情報を安心安全にやりとりできています。そして、スピーディーな対応も可能となり、アセスメント、ケアプラン作成のサポートがスムーズにできるようになりました。
(2023年1月掲載)

 

※1ビデオ・写真アプリ「PSショット」
シズケア*かけはし 専用のiOS、アンドロイド向け無料アプリです。「PSショット」で撮影した写真や動画は、アプリ内にのみ保存され、スマートフォン(タブレット)のアルバムには保存されません。また、データを圧縮することにより、動画であれば3分まで撮影ができます。共有操作後には自動的にアプリから削除されますので、セキュリティーを担保しつつ、簡単に写真や動画の共有が可能です。

※2セキュアメール
セキュアメールは シズケア*かけはし だけで使用できる機能です。宛先にメールアドレスを入力できませんので、ユーザ以外への誤送信や外部流出の心配はありません。ユーザ間の相談や問い合わせなどの連絡、カンファレンスの日程調整など秘匿性の高い情報で安心安全な環境のもとやりとりができます。