湖西市の医療・介護専門職の有志により、3~4か月ごとに開催している「あんきに暮らすを支える会」のご報告です。ちなみに会のネーミングである「あんき」とは、「安心」をさす方言で、湖西市の医療・介護連携推進事業のキャッチフレーズ「湖西で あんきに 暮ら住まい」というキャッチフレーズからとったものです。湖西市にお住まいの方が最期まで住み慣れた地域で安心して暮らせるように、医療・介護の多職種が協働し、支えましょうという思いが込められています。
令和7年8月20日(水)、第9回「あんきに暮らすを支える会」を開催しました。
「糖尿病をもつ高齢者の合併症(急性・慢性)と生活を共に考えよう、病気と向き合い自分らしく生きるとは」と題し、テーマ提供者は、市立湖西病院所属で日本糖尿病療養指導士の色山麻奈美看護師、内科専門医・糖尿病専門医である山本俊介医師が務めました。
2023年の厚生労働省の調査では、糖尿病患者数は約552万人!約6人に1人が糖尿病!70歳以上は予備軍も含めて女性は約19.6%、男性は約26.4%という結果となっています。参加者同士、糖尿病の患者さんへ、自らの生活を振り返り生活管理が出来るかについて、またその動機づけの方法についても検討しました。
提供者からは、病院として患者さんの生活に即した情報提供となるよう、外来から取り組んでいること(看護師・医療秘書が誰でも行えるよう独自で開発したシートを用いて生活情報の収集を実施し、早期に地域と連携を図る)を地域発信してくださいました。そして、シズケアかけはしを用いて地域と連携し、よりよい生活指導に生かされていることを示してくださいました。
地域側の医療・介護メンバーは、これまで医療と介護の壁が厚いと言われるなか、自分達の情報がどのように生かされているか知る機会がありませんでした。しかし、些細な生活情報でも治療に貢献できていることを知り、療養生活に参画している喜びを得ることができました。病院側のメンバーも患者さん・ご家族からの情報に、地域側の医療・介護情報が加わることで、より正しい情報を知ることができたとのことでした。これらの情報の有効性を高めるためには、地域連携を強化する必要があることを再認識しました。
また今回は、湖西市役所健康増進課メンバーも参加して、市内の予防医療の取り組みについてのお話しがありました。会場からは、「行政が取り組んでいることが市内の医療・介護専門職種間でも共有でき、療養者のケアにつながるよう連携が図れると良いのではないか」との意見もあり、行政・医療・介護の現場がつながる機会にもなりました。
最後に、次回のテーマ提供者の市立湖西病院総合内科の鶴山優医師から、湖西市の在宅医療の現状と課題についてのお話があり、参加者に対し「どのように機能すると充実するか」と投げかけがありました。
