看護師の特定行為研修制度は、在宅医療等の推進を図るため、あらかじめ医師から発行された手順書に従い、一定の診療の補助を行う看護師を計画的に養成する国が創設した制度です。今年度、静岡県医師会では、今後の在宅医療ニーズの増大を踏まえ、厚生労働省が示す標準的手順書例を地域の実情に応じてカスタマイズし、静岡県内における特定行為研修修了者の活躍を推進することを目的とした「地域標準手順書普及等事業」に取り組んできました。特定行為の実践には、医師による手順書の作成が不可欠であり、在宅医療の領域では、訪問看護ステーションに所属する特定行為研修修了者との連携を進めていくことが重要です。
この制度の普及等に向けたシンポジウムを2025年2月1日(土)に開催しました。
静岡県医師会 副会長・シズケアサポートセンター長 福地康紀医師による開会挨拶ののち、厚生労働省医政局看護課看護サービス推進室看護業務推進係長 松田咲野様に「特定行為に係る看護師の研修制度について」の基調講演をしていただきました。続いて、静岡県健康福祉部地域医療課医療人材室長 伊藤 正章様から「静岡県における特定行為研修の現状と県の取組」を報告いただきました。

厚生労働省医政局看護課 松田 咲野 様

静岡県健康福祉部地域医療課 伊藤 正章様
パネルディスカッションでは、「医師と特定行為研修修了者との連携(手順書の活用)」をテーマに、静岡県医師会理事 小野 宏志医師の司会進行のもと、前述の松田様並びに県内で活躍する5名の医師・特定看護師が登壇しました。参加者からは「医師と看護師とのコミュニケーション、信頼関係・顔の見える関係づくりが大事」「制度の周知は市民も含めた広報活動が必要」などの声をいただきました。
団塊ジュニア世代が65歳以上を迎える2040年問題を踏まえて、今後ますます高齢者の増加と生産年齢人口の減少の進行に伴う医療ニーズの増大とマンパワーの確保、医療従事者の働き方改革に伴うタスク・シフト/シェアへの対応が必要となります。
静岡県医師会は今後も在宅医療を推進してまいります。

松田様にはパネリストとしてもご登壇いただきました

阿部ひ尿器科 院長 瀬戸 拓也 医師

富士病院 看護師長 林 尚三 看護師

するがホームクリニック 総院長 齋藤 勝也 医師

つどいのおか訪問看護ステーション 所長 齋藤 美咲 看護師

訪問看護ステーション上西 所長 髙関 左保 看護師