ACP(Advance Care Planning)とは、将来の変化に備え、将来の医療及びケアについて、 本人を主体に、そのご家族や近しい人、医療・ ケアチームが、繰り返し話し合いを行い、本人による意思決定を支援する取り組みのことです。
静岡県医師会では、令和3年度に「人生の最終段階の療養場所の選定における意思決定の現状調査」を行い、「非がん・認知症の者への支援」「家族の介護力が弱い者への支援」「専門職による意思決定支援の強化」を今後強化すべき取組としました。
令和4年度には「医療・介護現場におけるACP実践力向上プロジェクト」を立ち上げ、医療・介護の専門職がACPの必要性を理解し適切に実践する力を身に付けることを目標に掲げ、その実践を標準化するためのシステムや教育を効率的かつ効果的に提供していくためのツール等について検討を行いました。
そして令和5年度~6年度「ACP実践力向上ワーキンググループ」を立ち上げ、医療・福祉関係者が日頃からご本人・ご家族等の想いに心をよせ、大切な意思決定に関わり、たとえ生活する場所が変わっても想いを引き継ぎ、医療・ケアに活かしていくためのツール作成と実際の使用イメージについて話し合いを行ってきました。
このように長い年月をかけて議論を重ね、今年度、ACP多職種連携シート「シズケア*ささえあい連携シート(愛称:シズみんシート)」が完成しました。
今回、このシートに関わる医療・ケア専門職団体のみなさまとの共催で、令和7年10月5日(日)に「シズケア*ささえあい連携シート全体説明会」を開催しました。
医療・ケア従事者や行政関係者向けのキックオフを目的としたこの全体説明会では、会場・オンラインを含め、県下全域より約450名の方が参加してくださいました。
シート作成の経緯や概要説明、多職種によるトークセッションが行われ、医師・看護師・ケアマネジャーなどの専門職が、それぞれの立場での活用イメージを共有し、患者さんの想いをささえ、つないでいくためのヒントを分かち合いました。
終了後アンケートでは、約8割が「このシートに関心がある」、約6割が「使ってみたい」と回答し、そのほかにも多くのご意見をいただいたことから、静岡県内の医療・ケア従事者のACPに対する関心の高さがうかがえました。今後はアンケート結果から課題を抽出し、多職種で対応を検討しつつ、普及啓発に努めていきたいと考えています。
YouTube「シズケア*ささえあい連携シート全体説明会」はこちらから
「シズケア*ささえあい連携シート」はこちらから

トークセッション

医療・ケアの専門職によるACP普及啓発リーダーのみなさま