静岡県医師会では、平成30年度から県と一体となって『地域リハビリテーション』の推進に取り組んでいるところです。『地域リハビリテーション』では、医師やリハビリ専門職と関係機関(市町、地域包括支援センター、広域支援センター)が連携し、フレイル(介護)予防や早期のリハビリテーションの実施により、住み慣れた地域での住民の生活を支援する体制構築を目指します。

その中においてかかりつけ医は、患者に対し「生活機能」の維持・向上の観点から、リハビリテーションの必要性の判断や適切なサービスへの橋渡しを行うという重要な役割を担うとされ、そうしたかかりつけ医の養成を目的とした標記研修の開催は今年度で3年目となります。

令和2年10月4日(日)開催の研修では、今年度から始まった「高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施」に伴い導入された『後期高齢者の質問票』を取り上げ、国立長寿医療研究センター理事長の荒井秀典先生から、フレイルの概念や生活機能評価の具体的な手法について講義をいただきました。

(講演中の荒井先生)                  (本県におけるかかりつけ医の参画のイメージ)

講演の様子           

受講者アンケートでは、「かかりつけ医としての新たな役割を認識できた」「新たな視点を獲得でき今後の診療に役立つ」など多くの前向きなコメントをいただきました。『一体的実施』という新たな国の制度にかかりつけ医の役割を位置付けたことで、今後地域リハビリテーションの分野でかかりつけ医の皆様のご協力の輪がさらに広がっていくことが期待されます。

なお、かかりつけ医用の後期高齢者の質問票対応マニュアルとスライドについては、一般社団法人 日本老年医学会のURLでご確認いただけます。⇒ https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/tool/manual.html